この舞台は、一本で完結する物語ではありません。これから発売されるゲームへと続く、壮大な「序章(プロローグ)」です。 そのため、「結末が気になる!」という謎をたくさん残したまま幕を閉じます。
しかし、その「始まりの物語」だからこその疾走感と、散りばめられた謎、そして「スーツ×日本刀」という最高にクールな世界観に、120分間どっぷりと浸れる作品でした。
公演情報
タイトル:新宿羅生門
原作:ALTERGER「新宿羅生門プロジェクト」
脚本・演出:萩原成哉
主なキャスト:
中島健、瀬戸啓太、橋本全一、井阪郁巳、田中稔彦、田中尚輝、市川慶一郎 (9bic)、新谷聖司、塚本凌生、日向野祥、鵜飼主水
上演時間:約120分
公演:2023年9月22日(金)~10月1日(日) こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ
公式サイト:http://askcoltd.com/rashomon-stage/
観劇日:2023年9月23日(土)13:30公演
あらすじ
副都心・新宿。この街では、幕末に無念の死を遂げた武士の子孫たちが、次々と先祖の記憶に目覚め始めていた。主人公・沖田洸(おきたあきら)はある日、自身が新徴組隊士「沖田林太郎」の魂を継ぐ者だと知る。彼は覚醒者の怨念を鎮めるため、「新徴組抜刀隊」の一員として、現代に蘇った戊辰戦争へと身を投じていく。
ネタバレなしの魅力3つのポイント
1.スーツ×日本刀!現代新宿に蘇る幕末の魂
この舞台のキャッチフレーズでもある「スーツ×日本刀」のビジュアルが、とにかくカッコいい!現代の新宿を舞台に、スーツ姿の男たちが前世から受け継いだ日本刀を手に、スタイリッシュな殺陣を繰り広げます。誰もが見たかった、ロマンあふれる光景がそこにありました。
2. 120分ノンストップ!世界観に没入させるジェットコースターストーリー
まだ誰も知らないゲームの世界観と無数の登場人物たちを、わずか120分で観客に叩き込む。その構成は見事で、息つく暇もないほどの速い展開にぐいぐい引き込まれます。「この人は誰?」「どういうこと?」と考えているうちに、気づけばすっかり『新宿羅生門』の世界の住人になっています。
3. 散りばめられた謎、謎、謎。続編(ゲーム)が待ちきれなくなる!
これは「序章」の物語。だからこそ、多くの謎が提示されます。「なぜ勝海舟の息子は、父と敵対する組織に?」「芹沢鴨の転生者は、なぜ近藤勇の転生者を狙うのか?」――観終わった後、あなたもきっと原作ゲームの発売が待ちきれなくなるはず。考察好きにはたまらない構成です。
- 新しいゲームの世界観にいち早く触れたい
- 幕末転生モノや、現代を舞台にした異能力バトルが好き
- 考察するのが好きなミステリー好き
- 中島健さんなど、出演俳優のファン
- 一本でスッキリ完結する物語が見たい
※この先は、物語の核心に触れる可能性があります。ご注意ください。
【感想】次回作への期待を込めて
今回は世界観や登場人物の紹介に重点が置かれていたため、殺陣のシーンが少し短めだったのが、個人的には少し残念でした。演者さんたちの殺陣がとても綺麗だったので、もっと長く観たかったです!
とはいえ、それは「プロローグ」であるこの舞台の役割を考えれば当然のこと。次回作(ゲーム、あるいは舞台の続編)では、今回提示された多くの謎が解き明かされると共に、より迫力のある殺陣シーンが見られることを、今から楽しみにしています。
