【ネタバレなし感想】舞台『Little Fandango』

まず最初に。この舞台は、上演時間3時間半という長丁場です。しかし、それを全く感じさせないほど熱量、アクション、そして切なさに満ちた、最高のエンターテイメントでした。
特に「西部劇やビリー・ザ・キッドの歴史は全く知らない」という人にこそ観てほしい。この舞台を観終わる頃には、きっとあなたも伝説のガンマンたちの生き様に魅了されているはずです。

目次

公演情報

タイトル:Little Fandango(リトルファンダンゴ)
作・演出:西田大輔
主なキャスト:
萩谷慧悟、長妻怜央、渡辺みり愛、校條拳太朗、山口大地、内堀克利、村田洋二郎、大海将一郎、吉川友、中村嘉惟人、横井翔二郎、瀬戸利樹、萩野崇、松田賢二
上演時間:約3時間30分(休憩含む)
公演日程:
・東京公演:2022年6月10日(金)~19日(日) EX THEATER ROPPONGI
・大阪公演:2022年7月2日(土)~3日(日)  COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
公式サイト:https://disgoonie.jp/stage/vol11/
観劇日:2022年6月11日(土)13:00公演

あらすじ

現代のニューメキシコ。議員の息子ヘンリーは、家の屋根裏で一冊の古びた日記を見つける。そこに記されていたのは、かつてこの街に生きた伝説のガンマン「ビリー・ザ・キッド」とその仲間たちの物語。日記を広げた瞬間、少年たちは19世紀の西部劇の世界へと誘われる。

ネタバレなしの魅力3つのポイント

1. 変幻自在!想像力を掻き立てる舞台美術

この舞台でまず驚かされるのが、巧みな舞台美術です。2階建ての家のセットが、ある時は酒場に、ある時は荒野に…と次々に姿を変えていきます。さらに、空には物語の鍵となる日記のページが映し出され、まるで私たちが少年ヘンリーと一緒に日記を読み解き、物語を体験しているような感覚にさせてくれる演出は見事です。

2. キャラクターごとに違う!こだわり抜かれたガンアクション

カウボーイたちのガンアクションは、この舞台最大の見どころの一つ。キャラクターの性格に合わせて、一人ひとり銃の構え方や撃ち方が全く違うんです。特に、大海将一郎さん演じるドク・スカーロックが操る長い銃(ショットガン)の迫力と、萩谷慧悟さん演じるビリー・ザ・キッドの鮮やかな二丁拳銃さばきは必見です!

3. 切なくも清々しい、男たちの群像劇

物語のテーマは「誰かを大切に想い、守ろうとすること」。そのために仲間を「裏切る者」「守る者」「死を望む者」…様々な思いが交錯し、胸が締め付けられるような展開が続きます。決して全員が幸せになる物語ではありません。しかし、観終わった後には不思議と清々しい気持ちになり、「彼は彼らしく生きて死んだ」という最後の言葉が深く心に刻まれます。

こんな人におすすめ

  • 熱い群像劇が好き
  • 舞台ならではの独創的な演出に感動したい
  • キレのあるガンアクションが見たい
  • 西部劇の知識はないけど、面白い物語に触れたい

※この先は、物語の核心に触れる可能性があります。ご注意ください。

【感想】全員に当てはまる墓碑銘

舞台の最後に表示された「彼は彼らしく生きて死んだ」という言葉は、ビリー・ザ・キッドの墓碑銘に記載されている言葉です。しかし、この物語を見届けた後では、ビリーだけでなく、この過酷な時代を自分らしく駆け抜けた登場人物たち全員に当てはまる言葉のように感じられました。歴史の知識がなくても、彼らの生き様を通じて物語を理解し、その世界に強く興味を惹きつけられた素晴らしい舞台でした。

予告編 / 予告動画

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