【感想】新解釈・幕末伝

歴史の行き先を知っているからこそ、笑いの隙間にふっと切なさが残る一本でした。

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作品情報

タイトル:新解釈・幕末伝
監督:福田雄一
脚本:福田雄一
主なキャスト:ムロツヨシ、佐藤二朗、広瀬アリス、山田孝之 ほか
上映時間:118分
劇場公開日:2025年12月19日

あらすじ

今から150年前、日本の未来を変えるため、のちに幕末のヒーローと呼ばれる男・坂本龍馬と西郷隆盛が立ち上がった。
革命的な出来事が繰り返される激動の時代を経て、物語はやがて260年続いた江戸幕府の終焉と、新しい〈ニッポンの夜明け〉へとつながっていく!
そこには、誰も想像し得なかった、〈戦い〉と〈友情〉の物語があった。

ふざけきった世界の中で、急に立ち上がる「歴史」

全体としては、肩の力を抜いて楽しめる場面が続きます。
筋を追うというより、流れに身を任せていると、気づけば重要な歴史の局面に立たされている、そんな感覚でした。

とりとめのないやり取りや、どうでもよさそうな場面が積み重なったあと、急に空気が変わる瞬間がある。
その落差が、この作品独特のリズムを生んでいるように思います。

剣戟とドタバタ、そのどちらも「本気」

中でも印象に残ったのは、岡田以蔵の立ち回りです。
一対多数の場面でも、動きが雑にならず、刃の位置や間合いがきちんと意識されているのが伝わってきました。
笑いが主軸の作品であっても、こうした身体表現がしっかりしていると、画面が引き締まります。

一方で、複数人が絡むコメディシーンでは、間の取り方や表情の積み重ねがとても丁寧でした。
長めのやり取りがそのまま面白さにつながっていて、気づけば小さく笑い続けていました。

知っている結末が、静かに胸に残る

終盤に近づくにつれて、空気が少しずつ変わっていきます。
それまで積み重ねられてきた軽やかな笑いが、歴史の行き先を知っている観客の側で、別の意味を帯び始める。

感動を強く押しつけてくる演出ではありません。
それでも、ふとした瞬間に胸が詰まるような感覚がありました。

軽やかに笑いながら観ていたはずなのに、最後には少しだけ、幕末という時代の行き先を思い返していました。
そんな時間を過ごしたい夜に、そっとすすめたい一本です。

こんな人におすすめ

・歴史ものを重く構えずに楽しみたい人
・俳優同士の掛け合いや間を味わうのが好きな人
・殺陣とコメディ、両方に興味がある人
・史実を知っているからこそ生まれる余韻を大切にしたい人
・好き嫌いが分かれる作品も含めて楽しめる人

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