――静かに心を侵蝕してくる、優しくて悲しい物語
先に結論を書くと、本作は「気づけば感情を預けてしまうタイプの作品」でした。
写真集から始まる、日常侵蝕ゲーム
第四境界の『ノンレゾン 1st写真集〈QUINTET〉』をプレイしました。
本作は、歌って踊れるアイドルグループ「ノンレゾン」のデビュー記念写真集「QUINTET」から始まる、新しい形の日常侵蝕ゲームです。
「ノンレゾン」は実在しない架空のアイドルグループですが、この写真集を通して彼女たちの関係性や想いに触れ、少しずつ物語の核心へと近づいていく構成になっています。
「ライト」のはずが、じっくり向き合う体験に
もともと謎解きは好きなのですが、リアルの謎解き施設では時間切れになってしまうことも多く、どこか消化不良を感じていました。
本作は「ライト」と聞いて手に取ったのですが、想像していた以上に、腰を据えて向き合う作品でした。
プレイヤーは、写真集を手がかりに「5人のうち、1人が欠けている理由」を追っていきます。
ヒントページも用意されていますが、写真や言葉の一つひとつを丁寧に読み解く必要があり、個人的には決して簡単ではありませんでした。
想像していた印象が、少しずつ変わっていく
序盤は、メンバー間の不和や、どこか暗い展開を想像していました。
しかし謎を解き進めるにつれて、その印象は少しずつ変わっていきます。
気づけば彼女たちのファンでもないのに自然と感情移入してしまい、先が気になって一気に最後までプレイしていました。
シンプルだからこそ、胸に残る物語
物語の大筋は、デビューを目前に控えた5人組アイドルグループが、ある出来事をきっかけに立ち止まり、やがて再び歩き出すまでを描いたものです。
詳細は伏せますが、彼女たちが直面する出来事は決して軽いものではありません。
それでも、エンディングで語られる言葉を聴いているうちに、彼女たちを自然と応援したくなっている自分に気づきました。
優しくて、少し悲しい余韻
派手な演出があるわけではありません。
けれど、静かで、優しくて、少し悲しい物語が、プレイ後もしばらく心に残ります。
写真集という媒体を通して物語を追う体験は新鮮で、プレイ後には第四境界のほかの作品にも自然と興味が湧いてきました。
こんな人におすすめ
・謎解きを楽しみたいけれど、時間制限のある体験が苦手な人
・物語を「読むように」味わうゲームが好きな人
・静かな余韻の残る作品を探している人
